こんにちは!教育アドバイザーの梨紗です。
秋から冬にかけて、志望校の過去問を初めて解いたとき、真っ赤に添削された我が子の答案を見て絶望してしまう親御さんは少なくありません。
梨紗先生真夜中に私のもとに悲痛なLINEが届くのもこの頃。
夜も眠れないほど焦ってしまうお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、ちょっと待ってください。 その絶望の正体は、お子さんの「実力不足」ではなく、単に「戦い方を知らないこと」かもしれません。
ハッキリとお伝えします。 入試は「満点を取るゲーム」ではありません。合格最低点を、たった1点でも上回れば勝ちなんです。
これを本当に理解したとき、受験戦略は劇的に変わります。 多くの受験生が過去問で絶望するのは、「すべてを解こうとする満点主義の罠」にハマっているからです。難しい問題に時間を取られてパニックになり、簡単な問題まで時間切れで落としてしまう。これが最も多い「もったいない失点パターン」です。
取れる問題を確実に取り、取れない問題は潔く捨てる。 今の偏差値が届いていない子こそ、この「捨てる技術」が最大の武器になります。
今回は、私の娘みみちゃんが実際に50日間の逆転劇の中で使い、合格を勝ち取った「冷徹かつ最強の過去問戦略」の裏側を特別公開します。
算数の戦術:命綱は「大問1」の死守と、「(1)のみ」を狩るロジック
過去問を開いたとき、ついつい「大問を最後まで解ききること」を目指していませんか?



真面目な子ほど、この罠にハマります。
志望校に偏差値が足りないところから、一発大逆転を狙う場合、今すぐその解き方は捨ててください。
算数で逆転したいなら、まず最初に覚えてほしい鉄則があります。 それは、合否を分けるのは難問の出来ではないということです。
多くの学校の入試では、算数の大問1は、全受験生が取りに来る「命綱」です。 計算、単位換算、一行問題が並ぶ大問1は、もともと偏差値が足りている受験生は確実に得点します。つまり、ここを1点でも落とした瞬間、低い偏差値からの逆転の芽は一気に消えます。
だから、最優先はこれ。大問1を、1点もこぼさず「死守」する。
では、大問2以降の応用問題はどうするか。 戦術は非常にシンプルです。
大問2以降は、各問の「(1)だけ」を狩りに行く。
(2)(3)の複雑な応用問題は、本番では見なくていい。むしろ、見ないほうが勝てます。
理由は単純。
- (1)は背景がシンプルで誰でも取れる
- 時間がかからない
- 精神的に崩れない
「これ、本当に解かなくていいの?」とみみちゃんに聞かれたとき、私はこう答えました。
「難しい問題は、他の受験生に解かせておけばいいの。私たちは、誰もが取れる基本を1点もこぼさずに拾い集める。それだけで合格最低点には届くように、お母さんが計算を組み立てるから、大丈夫」
その瞬間、みみちゃんの肩から、重たい鎖が外れたように見えました。 “解かない”ことで、時間と精神的な余裕が生まれ、結果として合格最低点へ最短距離で到達できるのです。
「この問題、大好き!」
「出ると思って直前に勉強していた問題だ!」
「見直しも終わって時間が余っているから、ちょっとやってみようか」
(2)(3)は、いわば、メインディッシュが終わったあとの「特別デザート」、「解けたらラッキー!」ぐらいで取り組むのがちょうど良いのです。
国語の戦術:入試日程から読み解く「記述カット」の裏側
国語の戦略は、算数以上にプロの「情報戦」です。 国語の対策といえば「とにかく長い記述を書く練習をしなければ」と思い込んでいませんか? 実は、志望校の「募集要項」や「入試日程」を見るだけで、やるべき対策は劇的に絞り込めます。
例えば、午後入試や夕方入試を行い、「試験が終わった数時間後には、もう合格発表を行う」という超過密スケジュールを組んでいる学校があります。
学校側の立場になって、少し冷徹に考えてみてください。 数百人、数千人もの答案を、わずか数時間でミスなく採点し、合否を出さなければならないのです。
結論から言います。 そのような日程の入試において、採点官の負担になる「重厚な記述問題」を出すことは、物理的に不可能です。
重めの記述問題は出ない。だから、記述の練習に時間を使うより、確実に点が取れる「漢字・語句・選択肢・抜き出し」を完璧に仕上げることに集中しよう。
出ないことが分かっている問題の練習に、我が子の貴重なリソースを割くのは今すぐやめましょう。
もちろん、学校によっては、午後入試等でも、しっかりとした記述問題を出してくることがあります。そこで大事になってくるのが、情報戦を読み切るプロの目。子育てFUNの連載ストーリーの第10話で、私が娘の国語の過去問から「記述を全部切り落とした」あの衝撃の決断の裏には、感情論ではなく、これまでの過去問と受験者数等のデータに基づいたプロとしての冷徹な分析があったのです。
過去問は、学校からの「招待状」である
「捨て問」を作ることは、決して逃げでも諦めでもありません。



ここで、一つ大切なことをお伝えします。
過去問には、学校が「こういう子に来てほしい」というメッセージが込められています。
いわば、「我が校は、こういう能力を持った子どもに入学してほしい」というメッセージが込められた招待状です。
「難しいことは言わないから、基礎を1点もこぼさない誠実な子に来てほしい」 そんなメッセージを過去問から読み取ったのであれば、私たちは模試の偏差値という「他人の物差し」に振り回されるのをやめ、その学校が求める「正解」に自分たちの努力を全振りすべきです。
また、過去問との相性が非常に悪い場合は、入学後の6年間のことも考えてみてください。校風と合わない環境は、その後の成長に大きく影響します。偏差値が足りないからではなく、「志望校のメッセージとの相性」を考えて、勇気ある撤退をすることも、長い目で見れば正しい選択になることがあります。
まとめ:捨てることは、挑むための「攻めの戦略」
「捨て問」という言葉に抵抗を感じる方は多いです。「全部解かせたい」という親御さんの気持ちも、本当によく分かります。
でも、こう考えてみてください。 捨て問とは「諦める」のではなく「合格のために優先順位をつける」ことです。
今の偏差値を見て苦しくなっているなら、一度「全部やる戦い」をやめてみてください。高い壁を細かく細かく「分割」して分析すれば、そこには必ず、あなたとお子さんだけが通れる「勝利の門」が見つかるはずです。
今ある偏差値に縛られず、志望校が求める形に我が子の戦い方をアジャストしていきましょう。受験の女神様は、最後まで戦略的に、賢く戦い抜いた親子の味方です。
「我が子の受ける学校の『捨て問』が分からない」「過去問の具体的な削り方に迷う……」というお母様へ。
志望校の日程や出題傾向によって、削るべき場所は1校1校すべて異なります。一人で悩んで貴重な時間をロスしてしまう前に、公式LINEからいつでもお気軽にご相談ください。
プロの視点から、お子様の志望校に合わせた「逆転合格のための得点戦略」を一緒に組み立てます。プロの目で見れば、高い壁のどこかに、必ずあなただけが通れる「逆転の道」が見つかるはずです!
この記事は、kosodate.funの連載「50日間の逆転ストーリー」第9話・第10話と連動しています。実際に娘の過去問を裁断して対策したエピソード、戦略的に「やらないこと」を決めた親子の激闘の物語は、こちらからお読みいただけます。
物語はこちらから →










コメント