【マインド編】「逃げる力」は「挑む力」――誘惑を断つための「戦略的な勇気」の育て方

「逃げる力」は「挑む力」――誘惑を断つための「戦略的な勇気」の育て方

こんにちは!教育アドバイザーの梨紗です。

前回の記事で、「サボり虫」の話をしました。

記事の最後に、こんな一文を書きましたね。

「ひとりで退治するのがむずかしかったら、お母さんのところに逃げてきてもいいよ!」

(まだ読んでいない方は、ぜひこちらから先に読んでみてくださいね! → サボり虫メソッド記事

「逃げる」って、なんだか後ろめたい響きがありますよね。

でも——

梨紗先生

「逃げる力」こそが、最後まで戦い続けるための本当の強さだと私は思っています。

今日は、この「逃げる」という言葉を、もう少し深く掘り下げてみたいと思います。

目次

「挑」と「逃」——漢字に隠された秘密

突然ですが、この2つの漢字をじっくり見比べてみてください。

 「挑」(いどむ) と 「逃」(にげる)

似ていますよね。

「逃」という字を「手(扌・てへん)」に変えると、「挑」になります。

梨紗先生

私はこれ、偶然じゃないと思っているんです。
誘惑から逃げるために、自分から課題に「手をつける」。
その行動そのものが、目標に「挑む」ための準備になるはずです。

「しんにょう・しんにゅう」はもともと「動く」「進む」といった意味を持ちます。

まさに、まずはその場から「動く=逃げる」ことが大切。

そして、その後、「手を動かす=挑む」

逃げることは、負けることではない。
逃げることで、はじめて「挑む」ことができる。

これが、中学受験生が、誘惑に打ち勝つセオリーとなるのです。

受験生を囲む「やさしい誘惑」たち

私たち大人が「誘惑」と聞くと、「お酒」「タバコ」「賭博」……と、ともすると犯罪のにおいがするような「誘惑」を思い浮かべてしまいますが、受験勉強中の子どもの周りには、実は、「悪意のない誘惑」がいくつも存在します。

兄弟姉妹からの「なぁ、一緒にゲームしよう」。
友達からの「放課後、遊ぼうよ!」。
じぃじ・ばぁばの「ちょっとこれ食べに来ない?」。

どれも、悪い人が言っているわけじゃない。
むしろ愛情や親しみからくる言葉です。
だからこそ、断りにくい。

梨紗先生

子ども心にも、断るたびに「みんなに悪いな…」「嫌われたくないな…」という罪悪感が積み重なっていきますよね……。

でも実は、厳しい現実を直視すると……、この罪悪感こそが、サボり虫を大繁殖させる一番の栄養になってしまうんです。

「誰かを傷つけたくないから」「せっかく誘ってくれているのに断ると悪いから」

その「言い訳」というエサをサボり虫は絶対に見逃しません!

だからこそ、「悪意のない誘惑」にも、「逃げる勇気」を持たなければならないのです。

「ごめんね、今はやることがあるから」

ある日、お兄ちゃんのこたくんといとこのたいちゃんが楽しそうなゲームを持って、みみちゃんの部屋に誘いにきました。二人とも、もう中学生。期末テストも終わり、遊び放題の時期です。

ゲームが大好きなみみちゃんは、本当は混ざりたくてウズウズしていたはず。

でも、みみちゃんは少し寂しそうに、けれど、キッパリとした声でこう言いました。

「ごめんね、今はやることがあるから」

それだけ言って、静かに机に向かう。

怒るわけでもなく、長々と言い訳をするわけでもなく。

ただ、それだけ。

「ごめんね、今はやることがあるから」と言ったとき、嫌な顔をする人は、その子のことを本当に大切にしてくれている人ではありません。
本当にその子のことを思ってくれている人は、「ああ、そうだったのか」と応援してくれるはずです。

梨紗先生

「逃げる」ことに、罪悪感はいりません。
それはお子さんが、自分の目標に本気で「挑もう」としている証拠なのですから。

とはいえ、「本当にそれで大丈夫?」と心配になる気持ちも、よく分かります。

「兄弟姉妹ならそれでいいけれど、お友達だったら、仲間はずれにされてしまわないかな?」

そんな心配は「逃げるときリスト」で解消しましょう!

実践!親子で「逃げるときリスト」を作ろう

前回の「サボり虫やっつけリスト」(こちら)が【内側の誘惑】への対処法なら、今回の「逃げるときリスト」は【外側の誘惑】への対処法です。

梨紗先生

ポイントは、誘惑が来る前に断り文句を決めておくこと!
その場で考えようとすると、罪悪感に負けてしまいます。
セリフが決まっていれば、心がブレる前に体が動きます。

📝 「逃げるときリスト」の例

  • 兄弟姉妹に誘われたら → 「ごめんね、今はやることがあるから、〇〇時からね!」と言って、すぐ部屋のドアを閉める。
  • 友達からLINEがきたら → 「終わったら、連絡するね」と返して、いったんスマホを親に預け、やるべきことを終わらせてから、返信する。
  • 放課後、遊びに誘われたら → 「ごめん、今日は遊べないので、またおうちの人と相談して、連絡するね」と断る。大きな模試の後や息抜きのタイミングなどにあわせて、改めて遊べる日を提案する。
  • じぃじ・ばぁばに用事を頼まれたら → 「このページが終わったら、すぐ手伝うね!」と時間を区切って伝える。
  • お母さんがつい「おやつ、食べる?」と話しかけちゃったら(笑) → 「休憩のときにもらうね!」と、お母さんからも上手に逃げる。

ゲーム感覚で「こう言われたら、こう逃げる!」とお子さんと一緒に書き出しておくと、驚くほど実践できるようになりますよ。

まとめ:「逃げる力」は「挑む力」

サボり虫を退治して、内側の誘惑に勝てるようになったら——

次は、外側の誘惑から「逃げる力」をお子さんに持たせてあげてください。

逃げることは、弱さではありません。

「逃げて、挑む」——

逃げ場がある子は、また前を向けます。
何度でも、挑めます。

それが、受験を最後まで笑顔で戦い抜く子の、本当の強さです。

そして、これ、よく考えてみると、社会人になってからも同じですよね!?

さっきのリストこそ、様々な誘惑に負けず、人生を「自分軸で生き抜く」大切なテクニック

のような気がしませんか?

  • 参加したくない飲み会を上手に断るコツ
  • 他人の仕事を押しつけられないコツ
  • 強引なセールスや勧誘から逃れるコツ

受験期だけでなく、これから続く長い人生において、強いメンタルを持つためにも、

逃げる力こそが、挑む力である

ということを、子どもたちにしっかりと伝えていきましょう!

「うちの子の場合、どんな断り方がスムーズかな?」
「リストを作ってみたけれど、うまく機能しなくて…」
そんなときは、いつでもLINEからお気軽にメッセージをくださいね。お子さんの性格やご家庭の環境に合わせて、一緒にぴったりの「逃げ技」を考えましょう!

LINEで相談する →

この記事は、kosodate.funの連載「50日間の逆転ストーリー」第10話と連動しています。みみちゃんが実際に誘惑から逃げ続けた50日間のリアルは、こちらからお読みいただけます。

物語はこちらから →

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